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区切らない間取りの功罪 (家づくりの極意ポイント:プランニング編)


 高度成長期、住宅ブームのころから日本の家にはLDKが定着しました。そして、時代の流れとともに、LDKの区別がなくなり間仕切りの無い、一つの大空間というプランが年々増えてきています。一部には、畳空間を併設しているプランも見られますが、基本的にはそれも含めて一体空間というプランニングです。

 もともと、日本家屋は大空間型であったものが、畳の普及などとともに一般家屋では8畳前後の和室が組み合わせされたものとなりました。しかし、それでも台所や食事をする場所、居間にあたる部屋は完全には区切られておらず、全体を一空間とするような作りと使い方をされていました。当時はこれで何の問題もありませんでした。その理由は、今とは違い基本的に家族はずっと同じ空間で過ごしていたこと、そして、部屋にはほとんど家具や調度類といったものはなく、大部分のスペースを部屋として使うことができました。

 ところが、生活が豊かになるにしたがって部屋には物がどんどん増えています。テレビなどの家電製品はその代表例であり、当然ながら家具類も増えています。しかし、ここで一つ大きな問題が生じてきます。一体の大空間としたり、間仕切るにしても完全開放ができるような仕切りを採用した時です。このようなプランにした場合、確かに感覚的な広さは増大します。また、感覚的だけでなく、壁厚や廊下が減る分、有効空間が増えるのも事実です。しかし、生活をしていくうえで、特に現代のようにモノがあふれている場合に非常に重要なものがなくなってしまうのです。それは、壁です。

 テレビや家具など、特に普段移動することのないもの、大型のものは一般的には壁際に置くことになります。ところが、大空間にしてしまうとその壁がなくなってしまうために、空間はあるのに、こういったもの達を置く場所がなくなってしまうのです。したがって、快適な空間、整理された空間を実現するためにはある程度の壁も必要であり、大空間とする場合に、空間はあるのに物の置き場所に苦慮するという事態が起きてしまいます。したがって、プランニングの時には家具や家電製品などについても、動線などと同様に検討する必要があります。



プランA




プランB


 一例をあげると、下の二つのプランを見てください。どちらもLDは仕切ら無いプランです。ただし、Aプランはより平面図での大空間を意識したものであり、Bプランは平面図ではAプランに比べると一体感は少ないように感じられます。しかし、実際にはBプランでもLDの一体感や空間は損なわれることなく、空間の広がりを感じることができます。そして、Bプランではちょうど間の部分が感覚的にどちらの空間にも属する領域となって、TPOに合わせて使い分けられるという利点があります。もちろん、Aプランでも必要に応じて境界を変えて考えればよいのですが、人の感覚としてAプランのような場合には協会が固定されてしまう傾向にあります。加えて、Aプランでは壁が非常に少ないために、最もものが多くなるLDにもかかわらず家電製品や家具調度品類を置く場所が十分ではありません。



 このように、家づくりでは一側面からだけ見ていると大きな失敗をすることが数多くあります。テレビや雑誌で見る一見オシャレで、広くて使いやすそうなプランであっても、それが果たして自分の生活スタイルに合っているのかということを考えなければなりません。さもなければ、せっかく苦労して自分の生活に合わせた家を建てたつもりが、気が付けば自分が家に合わせている、住まわされているという状況になってしまいます。
 しかし、家づくりは夢づくりでもありますから、ついつい自分たちだけでは現実の生活を忘れてしまいます。家は3回建てて初めて満足できるという言葉は、こういったことも含んでいるのです。夢に惑わされない、冷静で客観的な意見を聞くことも家づくりにおいてはとても重要です。


これ以外にも、皆さんに合った様々なアイデアがあります。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。




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