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マンションと一戸建ての選択


 家を手に入れることを考える時、少なからず迷うのがマンションなどの集合住宅にするか、一戸建てにするかということがあります。特に都心部においては、希望と現実の板ばさみになってしまう重大な問題の一つであります。現代では、マンションも家の形の一つとしてその地位を確立してはいますが、やはり今でも夢のマイホームは庭付き一戸建てというのが多数だと思います。

 しかし、都市部、駅前において、庭付き一戸建てを実現することは予算面の問題から平均的な収入ではかなり難しいものとなるでしょう。また、予算面以外にも現実問題としてそのような土地は残っていないというのが実情でしょう。特に、東京や大阪など大都市圏では様々な現実的問題から一戸建てを新たに手に入れることは非常に難しい問題となります。

 とはいうものの、便利な生活、アーバンライフといったものを実現したい、2時間、3時間と必要な通勤は耐えられないとなると、選択肢はどうしてもマンションということになってしまいます。確かに、片道3時間も通勤に必要なところに家を手に入れても週末以外はほとんど寝るだけか、その寝るということすら満足に実現できない生活になってしまうことが容易に予想されます。

 一方、それでも一戸建てということになると、前述のようにどうしても都市部ではなく郊外や場合によっては県境を超えるということも大都市圏では珍しくありません。しかし、それぐらいの距離の場所にならないと、無理をしてでも手の届く範囲で庭付き一戸建てを手に入れることができないのが日本の現状です。

 しかし、今や先にも述べたとおりマンションは一戸建てを諦めざるを得ない場合の妥協の選択肢ではなく、それ自体が一戸建てと双璧を成す選択肢の一つとなってきています。家を建てるという過程を楽しめる人もいれば、面倒だと感じる人もいます。また、近所付き合いや耐久性という点でマンションを選択する場合もあるでしょうし、無理なローンを組むよりも手ごろなマンションで人生を楽しむという選択肢もあると思います。いずれにしても、望む最適な家の形は十人十色ですから、何が正しいとか間違いという議論の対象ではありません。

 ただし、それぞれに認識しておかなければならない事実というものも現実には存在しますから、その点だけはどのような選択をする場合においても心に留める必要があります。

 一戸建てにおいては、先に上げたようにどうしてもコスト的にはマンションよりも高くなりますから、ローン負担は増えることになります。収入によっては、家を手に入れることと引き換えに人生の楽しみのいくつかを犠牲にしなければならないこともそれほど珍しいことではありません。例えば、それまでは年に一回は行っていた海外旅行が難しくなったり、車選びも妥協せざるを得なくなる、ブランドは諦めるなどです。
 また、特に都市部においては通勤時間が長くなることが考えられます。東京などでは片道2時間の通勤時間はそれほど珍しいことではありません。冬場なら朝の暗い内に家を出なければならない、毎日が午前様ということも少なからずあり、平日24時間のうち家にいるのは5時間ぐらいで、それも寝るだけという状況です。そして、郊外といえども駅前は難しく、ローンもあるので駅まで徒歩や自転車ということも一般的です。
 この状況を外から見ると、苦労するために家を建てたという風に見えなくもありません。決してこの状況が間違った選択であるということは決してありません。重要なことは、そういうことも踏まえた上で、それでも家を持つ事の方が自分にとって価値があるときちんと考えた上の結論なのかどうかです。
 また、一戸建ての場合には近所付き合いという問題もあります。多くの場合、自治体が形成されており、隣近所などの隣接家庭だけでなく、地域での付き合いというものが存在します。例えば、溝掃除や場合によっては運動会などの大きな行事が行われることもあるでしょう。こういったことがわずらわしいという理由でマンションを選択するケースも最近では増えてきています。

 一方、マンションの場合には一戸建てのような近所付き合いは積極的に動かない限りはほとんどないことが一般的でしょう。管理組合などが存在することが一般的ですが、これも、いわゆる近所付き合いではなく、もっと事務的なものであることが多いことから、自治体のような煩わしさは少ないと考えられます。ただし、近所付き合いはなくても、隣室や上下階からの騒音や共有区域の使い方などといった問題が内在していることも忘れてはいけません。
 また、マンションの場合、自分のものであって自分のものではないという矛盾する問題も存在します。マンションには通常、占有区域と共有区域が存在します。占有区域とは、一般的には室内やベランダなどが含まれ、共有区域は廊下や階段、ロビーなどが含まれます。共有区域が自由にならないことは当然として、実は占有区域もある条件の下で自由にできるだけでしかありません。この辺りが、自分のものであって自分のものでないという理由です。
 一番良い例が阪神淡路大震災後のマンションにおける建て替え問題です。地震によって、建物自体がかなりの被害を被るケースが数多くありました。そんなとき、あなたはどんな判断はするでしょうか。ひび割れた壁や床を見て、安全のために建て替えたいと考える人もいるでしょう。一方、耐震診断では倒壊の危険はないとすれば、二重にローンを背負うことになるような建て替えは必要ないと考える人もいると思います。一戸建てであれば自分の判断だけで好きな選択をすることができます。しかし、マンションにおいてはその決め方は多数決など色々と考えられますが、意に沿わない選択を受け入れなければならないことがあるということです。たとえそれが、多額のローンを組んで購入した自分の部屋であってもです。
 また、建て替えについては災害時だけでなく、経年劣化の問題もあります。このまま住み続けることも実用上問題ない状態のときに、外観上の問題で外壁などの共用部分の改修工事を行うという案が出たとしたら、自分の考えとは関係なく結果としてあなたは相応の費用を負担しなければならなくなるかもしれません。
 マンションとは、あなたのものであってあなたのものではないという事実はとても重要なことです。特に、終の棲家として選択する場合にはとても重要な問題です。

 マンションと一戸建ての選択について、代表的な事例を解説しましたが、この他にも、どちらについても様々な長所や短所があります。ただ、いずれもどれが正解でどれが間違いであるということはありません。あなたが、何を最優先するかということが最も重要なのです。そして、事前の検討において様々な観点から問題となりうる点、懸念点などを洗い出して、希望や人生設計と照らし合わせて選択を下す必要があるのです。


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