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収納の考え方と整理整頓


 多くの方が年末には家の大掃除をされます。そして、掃除の時には同時に不要物を捨てたり、使わないものを倉庫にしまったり、散らかってきた部屋を片付けたりと物を収納場所に整理整頓するでしょう。しかし、それから半年、日々片付けてはいるけれど、よほど意識していない限り少しずつ散らかってきているのではないでしょうか。なぜでしょうか。

 生活しているのだからある程度は仕方がない。確かにその通りという面もあります。しかし、本当にそれだけでしょうか。子供の頃から言われつづけていることに、使ったら元に戻す、というのがあります。この言葉どおりにやっていれば、汚れることはあっても散らかることはありません。そして、そのことは改めて言われなくてもみんなが分かっていることです。なのに、なぜもとの場所に物は戻らないのでしょうか。

 理由は簡単です。めんどうくさい、すぐ使うだろうからと出したままにしてしまうからです。その証拠に滅多に使わないものは出しっぱなしにされることは少ないと思います。その人の性格として物が片付けられないとういのはある部分どうしようもないところはありますが、それほど不精者というわけでもないのに、きれい好きなんだけど散らかることがあると思います。それはなぜでしょうか。ここに、整理整頓・収納の難しさがあるのです。

 ここで一つ発想の転換をしてみましょう。実は、片付けの仕方、収納のされ方が悪いからではないでしょうか。大掃除などは特に顕著ですが、片付けると決めた時には机の上には何も無く、床にも何も無いぐらいに、一体いままであったものがどこに行ったんだろうと不思議に思えるぐらいに物を片付けます。そうしないと片付けたという満足感を味わえないからです。しかし、そこが落とし穴です。片付けという行為が、整理整頓、という枠を越えて、片付けのための片付け、満足感を得るための行為になってしまっているからです。

 使用後の後始末も含めて使う時の利便性を無視して、物を視界から無くすことが第一優先として行動しているのです。ですから、物を大掃除の後はどこにしまったか分からなくなってしまうという本末転倒な事態が往々にして起こってしまいます。使う時に取り出しにくい、元の位置に片付けるのが面倒などという状態であれば当然、片付ける気力も減少して、次に使うことを思うとテーブルや床に出しっぱなしになっていきます。整理整頓、片付けとは、物を視界から消すことだけではなく、使い勝手も十分考慮されたものでなければなりません。

 このことは、何も日々の生活の中だけではなく、家のプランニングにおいても非常に重要なことです。収納を考える時、何となく適当な場所に作っていないでしょうか。よくほとんど収納の無いLDなどを見ることがあります。しかし、本来の名前の通りの使い方をされる部屋であれば、家族のほとんどが起きている時間の大部分を過ごす主たる生活の場がLDです。ですから、最も物(特に散らかりやすい小物類)が集中してくる場所です。そんな場所に十分な収納が無ければ物が散らかって当然ではないでしょうか。

 かといって、収納を作れば良いというものではありません。何を入れるために使う収納なのかということを十分に考えた上で、場所や大きさを決めていかなければなりません。加えて、先に述べたとおり、物の出し入れなどの使う時のことも考慮に入れておかないと、必要なだけ物は入れられるけど、使う場所から離れている、出し入れが大変などであれば結局は散らかっていきます。飾りでもない限り、収納も含めて物や設備は使ってこそ存在する意味があるのですから、使い勝手は重要なことです。

 最後にもう一つ、テレビなどでリフォームを取り上げる番組がたくさんあります。内容は模様替えから、収納のリフォーム、もっと大規模なものまで多種多様です。そういうものを見ていて気になるのが、確かに終わった後は見違えるようにきれいになっています。しかし、部屋の風景としては良くできているのですが、生活感が全くありません。見ていて、あの中でどうやって生活するのだろうと首をかしげることも少なくありません。収納をいじるようなリフォームでも、一見きれいなのですが、出し入れなどがしにくそうなどと感じることも多々あります。また、散らかった台所や居間をリフォームしてきれいになるのですが、あれだけ散らかっていた物や荷物は一体どこに入れるのだろうというようなことや、これ以上物が増えることは一切許容しないようなリフォームもあります。生活をしていけば物は増えていくものです。見た目はおしゃれできれいなのですが、本当に住み手の生活を考えているんだろうかと思えてきます。あのようなリフォームプランナーの人たちには何か資格があるんでしょうか、というか特に資格は無く誰でも名乗ればそれでOKなんでしょうか。もちろん、全ての人がそうというわけではなく、住み手の生活を良く考えているなと感心することももちろんあります。

 片付けに限らず、何事も使う時のことを考えて判断していかないと、本で見た、テレビで見ただけというようなイメージで判断してしまうと取り返しのつかないことになってしまいます。


どうぞ、お気軽にお問い合わせください。


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