×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

Top>家づくりにおける疑惑の構図>

家づくりにおける疑惑の構図 −住宅メーカー編−


 住宅メーカーへの住宅建築の依頼は、近年その割合を急速に増やしており、多くの人が最有力候補として考えている方法です。その主な理由は、大手メーカーに代表されるネームバリューと規模による安心感、至れり尽くせりに思えるメニュー式家づくりの簡便さ、そして、大量、工場生産によるコストメリットなどが挙げられます。しかし、最も見えない部分が多い家造りの方法の一つであるという見方ができます。

 住宅メーカーの場合、最近は少しずつ改善されてきているようですが、いわゆる一式見積もり形式が採用されていることがほとんどだと思います。モデルと床面積によって自動的に決まる家本体の基本価格一式、オプションカタログから選んだ設備類で決まる付帯設備価格一式、外溝工事一式などなどです。

 家の価格がそんなに簡単に決まるわけもなく、本来は部材一つ一つ、それぞれのコストと工賃の積み上げによって合計金額が決まってくるはずです。間取りが決まる前から坪単価が決まっているなど本来はありえないはずです。坪単価とは、本来はきちんとした積み上げ式で計算された合計金額を坪数で割ることで結果的に計算される値でしかありません。ただし、これは住宅メーカーに限ったことではなく、少なからぬ工務店や、場合によっては設計事務所においても同様のことが言えます。

 この他にも、住宅メーカーでよく言われることには、住宅展示場のモデルハウスの維持管理や、出展料、豪華なカタログやノベルティー、派手な宣伝広告費などの費用は一体どこから出ているのかということです。標準的なモデルハウス一棟の年間維持費は1億円以上とも言われています。これらはビジネスモデルの一つであり、ユーザーもそれなりに利便を得ているのですが、実はシステムそのものに大きな疑惑が存在するのです。

 もちろん、これらの費用は全て住宅の価格に上乗せされるのが通常です。豪華な見学設備、不必要なほどに豪華なカタログ類、季節ごとに催されるイベント費用、これら全ては経費としてコストに含まれていくのです。例えそれらを不要だ、自分たちには必要なく、使っていないと言っても同じことです。そして、それでも吸収しきれないときは下請けへとそのしわ寄せがいくことになります。あなたは、適切な報酬が得られない仕事を心の底から一生懸命にすることができますか?

 また、基本的に住宅メーカーで住宅建築を依頼する場合、窓口はその地区の営業が担当します。そして、重要なことは彼らにはノルマが存在するということです。言い換えるなら、歩合制で仕事をしているようなものです。

 問題は、彼らは年間に課されたノルマの棟数の家を売らなければならないことなのです。理由は簡単です、達成できなければボーナスや給与の査定に影響するからです。どんな形であっても彼らはそのノルマを達成することが至上目的なのです。ただし、彼らやそのシステムが全否定されるものではありません。ある意味、資本主義的システムなのです。重要なことは、そのような仕組みの中に自分が入り込んでいるということを理解することです。

 そして、もう一つ家づくりにおける問題を複雑にし、大きくしているシステム上の制約があります。それは、施主が住宅建築を契約するという大きな決断をするときの最大で唯一と言っても良い窓口である彼ら営業担当者の役割は、基本的にまさにその契約をする所までなのです。そこから先の、建築工事やアフターサービスなどについては、原則として現場監督や専門部署の人間が担うことになるのです。そう、極端な言い方をすれば、彼ら営業担当者は実際に住んでみて不便、不都合があったとしても、どんな形であっても売ってさえしまえば、契約さえしてしまえば、極論すれば関係ないのです。確かに、工事期間中であっても、場合によっては完成後も営業担当はある程度間に入りますが、基本的には彼らの軸足は次の顧客にあるのです。

 施主が欲しいと言えば、不要だ、期待したほどの効果は得られないと分かっていても、その場を進めることができるのであればそんなことは関係ないのです。間取りやプランにしても同じことです。例え施主の言うことが間違っていると分かっていても、実際に住みにくいだろうと思っていても、よほどのことが無い(後で自分に責任が及ばない)限りその場で施主が(自己)満足して契約してくれるのであればそれで良いのです。

 彼らは、決してこちら側の味方ではなく、相手側の人間なのです。

 そして、住宅メーカーの場合、契約後も全員が同じ穴のムジナなのです。素人には分からない現場においても、欠陥住宅や手抜き工事を避ける唯一の味方であるはずの現場監督も相手側の人間です。そして、実際に建築工事を行う人たちも下請け、孫請けなどで、元請けには逆らうことのできない向こう側の人間なのです。そんな彼らがメーカーに不利になるようなアドバイスをしてくれるはずもありません。

 アフターサービスについても同じことです。アフターサービス部門の使命は何だと思いますか?それは、決して、なんとかユーザーの不満を解消して本当の意味での満足を得てもらうということでありません。会社にとって最も損害の少ない結論でユーザーに納得させる。なだめすかし、時には脅しのようなことも使いながら自分達に有利な結論を導き出すのが仕事です。

 また、住宅メーカーの売りの一つとして、最新の工場で一元管理して生産しているのでコストも低減でき、ミスも無く高レベルの仕上がりになるということが言われます。しかし、本当にそうでしょうか。私自身何度も複数のメーカーの工場を視察に行っていますが、毎回といって良いほど、生産ラインのトラブルによる警告音が何度も鳴り響いているのを目にしています。また、生産ラインの横で破損などを補修している(交換ではありません)現場も何度も目にしています。しかし、これらは決して施主は知ることができないのです。

 工場生産ということは、実は家づくりの大部分を見ることができない、チェックできないブラックボックス状態で住宅建築が進んでいくということなのです。

 そう、すなわち、住宅メーカーでの家づくりにおいて本当の意味でこちら側に立って、心底味方になってくれる人間は誰一人としていないのが現実なのです。せっかく、自分達に関係のない宣伝広告費まで含めた割高な費用を支払って、安心を買っているつもりが実は孤独な家造りをしてしまっているのです。


どうぞ、お気軽にお問い合わせください。


 このページはお役に立ったでしょうか?

YES    NO

ページ先頭へ